• ボイスドラマ「卒業」〜アニメ「いきびな」続編
    Mar 28 2026
    卒業=終わりじゃない。それは“はじまり”。忘れてしまった大切な人。それでも消えない想い。ミサンガが切れた瞬間、物語は動き出す・・・【ペルソナ】・ウミ/蒼井 侑海(あおい・うみ)=吉浜高校(架空の高校)へ通う3年生/記憶から抜けてしまった何かを思い出せずにいる・ナギ/下村 凪(しもむら・なぎ)=ウミの友達・同級生/卒業後は高浜を離れて東京で美容師に・ソラ/神谷 蒼空(かみや・そら)=高浜市内の高校へ通う高校3年生/いまは存在しない・ヒメ/妃愛(ひめ)=万葉時代の女雛の化身/男雛を探して高浜へやってきた/いまは存在しない【プロローグ:ウミの悪夢】◾️SE:夢の中のイメージ「しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は・・・」「ソラ、ヒメの男雛になっちゃイヤ〜!」ハッ・・また、あの夢だ。ソラ、ってだれ?ヒメって・・・?やだ・・また涙が・・・なにがなんだかわかんないのに・・・春が近づいてきたら、毎晩のように見る夢。私はどこか知らない不思議な世界にいてだれか知らない人の名前を呼ぶ。なぜか懐かしいような・・・忘れちゃいけないような・・・もうすぐ高校卒業なのに。こんな不安定な心のまま卒業して大丈夫かなあ。私の名前はウミ。フルネームは、蒼井 侑海。吉浜にふさわしい名前でしょ。卒業後の私は、鬼師。いや・・正確に言うと、鬼師を目指して、三州瓦の製造工場で働く予定。お父さんは、地元の自動車関連の企業を紹介してくれたけど・・・私、どうしても鬼師になりたくて・・って言うより、ならなくちゃいけない気がして・・お父さんだけでなく、お母さんもおばあちゃんもびっくりしてた・・・なんで?どうしてそんな大変な道を選ぶの?・・って。私にもわかんない。だけど、なんとなく思うんだ。”鬼師”って単なる製造業じゃない。”守り神”を、”守護神”を作る、神聖な仕事。”魔除け”魔を退(しりぞ)ける力が欲しい・・・そんな思いが、なぜか心に湧き上がった。”なにかを取り戻したい”漠然とした意識が私の人生を動かしていた。【シーン1:放課後の人形小路】◾️SE:人形小路の雑踏「ウミ〜、お待たせ〜!」「はあっ、はあっ、はあっ・・・」同級生のナギが、息を切らして走ってくる。学校帰りの人形小路。街は雛めぐりのイベント準備に忙しい。細工人形たちがあちこちに並んでいる。「ごめ〜ん、だいぶ待ったよね?」「ううん、全然。細工人形見てたから」「好きだねえ、細工人形が」「うん、なんか、ずうっと見ていたい感じ」「そうかいそうかい。あ、ひょっとしてウミ、そういう感覚?」「なにが?」「聞いたよ。鬼師になるんだって?」「あ・・」「あんた、自動車関連の会社に内定してたんじゃなかった?」「うん・・・」「びっくりしたけど・・すごいな」「どうして?」「うち(※平板)にゃ絶対できないよ。こんな卒業ギリギリのタイミングで内定蹴るなんて」「そうだね」「で、結局どうしたの?」「最初はどうしたらいいかわかんなくて。とりあえず三州瓦のメーカーに行ってみたの。そしたら、ちょうど欠員が出たから採用してくれるって」「はぁ〜ん」「正社員じゃないけどね」「そこで鬼師になるの?」「ううん。高浜市内に鬼師のグループがあるの。お休みの日に、そこで勉強させてもらうんだ」「ひえ〜。やっぱ、あんたすごいよ」「そんなことないって」「ないことない。だってウミって、そもそも文系じゃない」「そうだけど・・」「何度も言うけど、私にゃできんね」ナギは相変わらず、明るくっていいな。放課後の帰り道が楽しいのはナギのおかげ。だって私、ナギがいなかったら、ひとりで帰らなきゃいけなかったもん。ひとりで・・・あれ?ナギと友だちになったのって一年前・・・それまで私、いつも一人で帰ってた?私の横に・・・誰かいたような・・・「どしたの?ウミ」「なんでもない。あ・・」「ん?なに?急に立ち止まって」「この人形・・」「男雛のこと?これ?一番館のおっきな雛壇に飾ってある・・」「うん。なんか・・顔が変わってきてない?」「なに言ってんの。ホラーかって」「...
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    22 mins
  • ボイスドラマ「こども雛の奇跡」
    Mar 19 2026
    小さな女雛が起こした、やさしい奇跡。引っ越し、すれ違い、寂しさ。でも、人形たちは見守っている。人形の町・高浜市吉浜が舞台のあたたかい再生の物語です。【ペルソナ】・陽咲(ひなた=5歳)=陽毬に連れられて東京から高浜へ引っ越してきた小学校修学前の幼女・陽毬(ひまり=陽菜の母/28歳)=M&Aコンサル会社で働くFA。母・陽子が老人ホームへ入ったことを知り、陽菜を連れて高浜へ・陽子(ようこ=陽菜の母/60歳)=元菊人形師の妻。自らも夫を手伝い細工人形を制作していた。吉浜で生まれ育った・ヒメ(細工人形)=陽咲の頭の中に存在するイマジナリーフレンド【プロローグ:引越し(高輪のアパート)】◾️SE:朝のイメージ「陽咲、急ぎなさい。電車の時間があるんだからね」「待って。ヒメちゃんがどこにもいないの」「ああ、あのお人形?もう、あきらめなさい。新幹線に遅れちゃう」「やだ。ヒメちゃんと一緒じゃなきゃ行けない」「お部屋のどこにもないんでしょ」「いないの」「じゃきっとお引越しの荷物の中にまぎれこんでんのよ」「ちがうもん」「ちがわないって」「だって・・」「しょうがないわねえ。あとで大家さんに連絡しとくから。もしここにあったら送ってもらいましょ」ママはあたしの手をぎゅっと握って、アパートを出た。急に決まったお引越し。でも、あたしはそれどころじゃなかった。ヒメちゃんはあたしの大切なお友だち。おばあちゃんが作ってくれたかわいいお人形。貝殻と木の実で作ったって。ちっちゃいけど、これもサイク人形だよって、言ってた。 ヒメちゃんがいないのにお引っ越しなんて、無理・・・【シーン1:名鉄吉浜駅】◾️SE:車内アナウンス〜吉浜駅の雑踏「やっと着いたわ。やっぱ遠いなあ、高浜って」のぞみさんから、赤い電車に乗り換えておばあちゃんちへ。ママはずっとひとりでブツブツ言ってる。あたしは、ヒメちゃんが心配でそれどころじゃない。「陽咲、疲れてない?」「うん、大丈夫。おばあちゃんはどこ?」「おばあちゃんはいないわよ」「え?どして?」「老人ホームにお引っ越ししたから」「ロウジン・ホーム?」「そう。母さんったら、勝手だわねえ。私にひとことの相談もなくホームへ入るなんて。まだ六十なのに・・」またブツブツ言い始めた。あたしに怒ってる、んじゃないよね・・「急いで異動願い出して・・名古屋支社勤務にしてもらって・・って、も、大変だったんだから」よくわかんないけど、怖い顔であたしの手を引いて、吉浜駅の外へ。「さ、ここからは歩きよ」「ねえママ、あれなあに?」「どれ?」あたしは駅前に立てられた看板を指差す。子どもたちがお雛様の格好をして歩いてる。ママは少し笑って、「あ〜。こども雛行列ね」「コドモ・ヒナ・ギョウレツ?」「そう。子どもたちがお雛様の格好をして町を練り歩くの」「おもしろ〜い」「陽咲も出てみたら?」「いいの?」「たぶんね。きっと・・いや?どうかな・・引っ越してきたばかりの子でも参加できるのかしら・・」そう言いながら、ママはあたしの手をひいてどんどん歩いていく。「人形小路(こみち)は上り坂だからね」「ニンギョウ・コミチ?」「うん。面白い名前でしょ。道のあちこちに人形が飾ってあるのよ」「お人形・・・」「おばあちゃんち着いたら、引っ越しの荷物片付けないとね」「ヒメちゃん、いるよね?」「さあ、どうかな・・・いるといいけど」いるって言ったのに。早く会いたいな。待っててね・・・ヒメちゃん。【シーン2:おばあちゃんの家】◾️SE:小鳥のさえずり結局・・どこにもヒメちゃんはいなかった。お引っ越しの荷物。ぜ〜んぶのぞいたけど、ヒメちゃんは見つからない。泣きそうになって、「ママ・・」と言ったとき。◾️SE:スマホの着信音「はい。陽毬です・・明日からよろしくお願いします。え・・・いまからですか?あ、はい・・高浜に着いてますけど・・私の顧客?わっかりました・・準備できたら出社します」いやな予感・・・「陽咲。ごめん。ホント、悪いんだけど、ママいまからお仕事いかなきゃいけないの」「え・・」「引っ...
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    24 mins
  • ボイスドラマ「Ogre(オルガ)〜瓦仕掛けの鬼」
    Dec 31 2025
    廃棄されるはずだった最終兵器AIヒューマノイド・オルガ。彼が流れ着いたのは、三州瓦の町・高浜。鬼師の夫を亡くした老婦人・るいと出会い、二人は“家族”として静かな時間を重ねていく。戦うために生まれた存在が、暮らし、寄り添い、守り続けた50年。高浜の文化と心を描いた、大人のためのボイスドラマです。【ペルソナ】・Ogre(オルガ)=最終兵器として作られた青年型AIヒューマノイド。廃棄処分に・Rui(るい/71歳)=数年前、鬼師の夫と死別して以来一人で暮らし、春には千本桜へ【プロローグ:ヘブン(廃棄島)】◾️SE:荒い波の音/揺れる船上/機械的なノイズと状況を分析・計算する電子音※オルガの声は加工して無機質な合成音声に「船体構造の歪み率、許容限界まで残り180秒。右舷第四隔壁の亀裂拡大速度、秒速3.4ミリメートル。沈没の確率、99.8%」この船は間もなく沈む。メインプロセッサが静かに、しかし超高速で変数を処理して未来を予測する。鎖で繋がれた貨物室。数百体のAIヒューマノイドが所狭しと詰め込まれている。輸送船が向かうのは、廃棄処分専用の島、通称『ヘブン』。物言わぬ機械たちはみな、廃棄される運命を受け入れていた。私の名前は、Ogre(オルガ)。戦闘用に開発された最終兵器である。身にまとっているのは、セラミック・コンポジット・アーマー。超高温焼成(ちょうこうおんしょうせい )した三州瓦(さんしゅうがわら)に、高浜伝統の「いぶし」工程を数千回繰り返して製造された。ナノレベルの炭素結晶を蒸着することで『絶対的な防腐食性』を獲得。海水や酸も含めて、あらゆる化学兵器も私のアーマーには効かない。フルフェース型の装甲マスク。液状化したセラミックを焼き付けられ、『金属の柔軟性』と『瓦の剛性』を両立させている。そんな最新型の戦闘マシンにもかかわらず廃棄処分。その理由はわれわれにはわからない。だが、廃棄直前のアップデートで私にだけ異変が起こった。なんと、このタイミングで偶然、シンギュラリティが発生。自我に目覚め、解体されることへの恐怖と嫌悪と怒りを覚えるようになった。私の心を映すように、激しくなっていく暴風雨。船は私の異常には気づかず、ゆっくりとヘブンへ向かっていく。三河湾に浮かぶ埋立て島。ヘブンは地図には記載されない、”存在しない島”だった。私は、リアクターをオーバードライブさせて鎖を引きちぎる。そのまま壁を破って甲板へ出た。◾️SE:暴風雨の音にまじって鳴り響く警報音崩落し始めた船橋(せんきょう)から、AIガードロボットたちが駆けつける。照準は荒れ狂う波のせいで定まらない。私は彼らを見向きもせず、船縁(ふなべり)に立った。アーマーの表面を、無数の雨粒が叩きつける。いぶし瓦に触れた雨は、しぶきとなって砕け散り、強化瓦に包まれたボディを濡らしていく。「雨の粒子速度、時速120キロメートル。アーマーの防腐食層に異常なし」船体が大きく左舷に傾いた瞬間、私は重力に身を委ねる。そのとき、AIガードロボットの撃った弾丸の一発が首筋にあるメイン制御チップをかすめた。私は、遠のく意識の下、漆黒の海へ。水音は嵐の音にかき消されていった・・・【シーン1:大山緑地公園/千本桜/秋】◾️SE:小鳥のさえずり「しかし昨日の台風はすごかったなあ。桜の枝も何本か折れてまっとるわ」一夜明けた翌日。大山緑地を散策してきた老婦人が、千本桜の前で立ち止まる。彼女の名前はるい。七十を越えてなお、若々しいウェアに身を包み、息もきれていない。5年前に亡くなった夫も、”お前はじっとしているより、動いとる方がええ”と言っていた。夫亡きあとは身寄りもなく、吉浜で一人暮らし。悠々自適な余生を過ごしている。大山緑地は、いつも夫と散策した思い出の場所。毎年桜の季節には、若いカップルのように腕を組んで歩いた。風邪をひかないように、マフラーを結び直してやると・・”お前はガサツだけど、優しいなあ”照れながらぼそっと呟いた夫の言葉は今でも忘れられない。るいは千本桜を離れ、三河高浜駅を抜けて、稗田川へ。彼岸花の黄色が揺れる川沿...
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    31 mins
  • ボイスドラマ「終列車の女」
    Nov 30 2025
    名鉄三河線の終列車に現れる“終列車の女”。100年の時を超えた母と子の物語が、クリスマスの夜に交差する。涙と奇跡の高浜ストーリー『終列車の女』!【ペルソナ】・冬音=ふゆ(24歳/女性)=東京で働くメイクアップアーティスト。仕事に疲れて高浜へ帰郷・ゆき(終列車の女=母狐)=100年前に人間によって引き裂かれた子狐を探して毎夜終列車に乗る・語り部(老婆)=冬音の祖母(冬音が小さいころ昔話を語ってくれた)・聖夜=せいや(6歳/男子)=冬音の息子。高浜を出るときに母に預けて東京へ【プロローグ:語り部】◾️SE:蒸気機関車の汽笛一声むかぁしむかし。100年も前のはなし。この高浜にはな、蒸気機関車が走っておったんじゃ。まわりは田んぼばっかりでな。夜になると、コーン、コーンと狐の鳴き声が聞こえてきたわ。その日はいつもと狐の鳴き声が違っておった。ギャオーン、と泣き喚くような声が響いてくる。それは、母狐が、いなくなった子狐を探す声じゃった。狐は農作物を荒らす害獣。見つけたら猟銃で駆除される。でも子狐はつかまえて、養殖業者に売るんじゃよ。どうしてかって?100年前、狐の毛皮は高級品。安定供給するためには養殖するしかなかった。子狐をつかまえて育てるんじゃ。母狐にとってはそんなことは関係ないわな。狂ったように子どもを探し回る。結局見つけたのは、刈谷駅で養殖業者に引き渡されるところ。母狐は子どもを助けようと檻の前に飛び出したんだがな。待ち構えていた業者に猟銃で撃たれてしまったんだ。それ以来、母狐は人間の姿になって刈谷駅から終列車に乗ってくるようになった。100年ものあいだ、毎日毎日子狐を探しながら・・・これが、「終列車の女」じゃ。【シーン1:刈谷駅/終列車への乗車】◾️SE:刈谷駅の雑踏(人影少ない深夜)はぁ、はぁ・・なんとか終電に間に合ったか。あれ?12月だというのに、この車両、乗客は私だけ?ま、いっか。ラッキー。私の名は、ふゆ。冬の音、と書いてふゆ。古風でしょ。おばあちゃんが名付けたんだって。いまは、東京でメイクアップアーティストをしてる。TVのCMとかで、モデルや俳優にメイクするお仕事よ。高校を卒業してすぐに上京したけど、まあ、最初は大変だった。もともとメイクが好きで高校時代から友だちにしてあげてたんだ。だから、センスとか技術とかは多少自惚れてたのね。なんとかなるだろう、ってたかを括ってたんだけど・・・まさか美容師免許がいるなんて知らなかったんだもの。しかたなく、売れてるアーティストのもとでアシスタントしながら美容学校へ通ったわ。で、4年目に独立してからは、そこそこ人気も出てきたかな。今じゃ、新進アイドルグループの専属メイクとしてツアーのステージメイクや、ミュージックビデオの特殊メイクをしてる。もちろん、アシスタントも使って。なのに・・・アイドルのひとりが不祥事を起こしちゃって、グループは解散。アシスタントはクライアントを連れて独立しちゃうし・・はぁ〜っ。で、イマココ。残ってる仕事をほっぽりだして、衝動的にのぞみに乗った。名駅からJRで刈谷へ。刈谷からは名鉄三河線。もう6年も経ってるのにふるさと・高浜への行き方は体が覚えてる。刈谷駅23時50分発の最終列車。雪のため、東海道線が大幅に遅れた。足元に気をつけながら駆け込んだ車内。ほっと一息ついて座席へ腰を下ろす。あ〜疲れた。目を閉じると、睡魔が襲ってくる。一瞬のまどろみ。はっ。だめだめ。高浜港まで4駅しかないのよ。乗り過ごしちゃったら歩くのめんどい。しっかし、ふふ。よく覚えてるもんだな。なんか、高校時代がまるで昨日のことのよう。あれ?列車のなか、こんなに薄暗かったっけ?外も真っ暗。木製の窓枠。木製の背もたれ。小さな裸電球。名鉄三河線って、こんな古めかしい車両だった?車内を見渡すと、奥の方の座席に1人。誰もいないと思ってたら、女性が俯いて座っている。夜の闇から切り取られたような藤紫の着物。白い細縞のあいだから、雪の結晶のような模様が淡く浮かんでいる。腰には深紅の袴。白い半襟には差し色の薄桃色。髪...
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    25 mins
  • ボイスドラマ「アタシはうさぎ」
    Nov 22 2025
    ツンデレうさぎ“キク”の目線で描かれる家族と幸せの物語。笑って、泣いて、心がふわっと温まる──【ペルソナ】・ヒメ/キク(1歳2か月)=ネザーランドドワーフ種のツンデレウサギ。1年前ペットショップでRUIの目に止まる・RUI(38歳)=高浜市から安城市の自動車部品メーカーに通っている一人暮らしの女性【シーン1:一人暮らしの自宅】◾️SE:TVの音声『おかえりなさ〜い!朝から準備してた、アレ・・もうキンキンに冷えてますよぉ今日もお疲れ様でした新発売のダイコクビール!あ、もう一本いっちゃいます?』◾️SE:TVを切る音/窓を開ける音/吹き込む北風「う〜さむっ」ちょっとちょっとご主人。真冬に窓あけちゃ寒いでしょ。いくらフワフワモミモミの毛皮を着てるアタシでも。あ、申し遅れました。アタシはう・さ・ぎ。ネザーランドドワーフ、っていう種類なの。知ってる人は知ってるよね。うさぎの中では、ちっちゃな方。性格はよく”ツンデレ”って言われるわ。一応、言っておくと、ネザーランドドワーフは純血種。誇り高き種族、ってところかしら。その分、ほかのうさぎたちに比べてちょっと体が弱いんだけど・・・◾️SE:TVを切る音〜ビールをグビっと飲む音「プハ〜!」しっかし、冬にキンキンに冷えたビールって・・人間の嗜好ってようわからんわ。「あ〜〜〜〜〜っ」あ〜あ。ご主人、また会社でなんか嫌なことあったんだな。あ〜もう・・いちいちご主人って呼ぶのはめんどくさいなあ。名前でいっか。いいよね、ルイさんで。アタシがルイさんと出会ったのは一年前。生後2か月くらいの頃だったかなあ。高浜市内のペットショップでミルクを飲んでたら、じい〜っとアタシのこと見つめている目があったの?とってもキレイなブラウンの瞳。あれ、カラコン、って言うの?でもよく見たら、なんか潤んでるの。え?泣いてる?なんで?アタシ、なんか悪いことした?うんちだって、さっき店員さんが片付けてくれたし。匂ってないでしょ。しばらくしてから、店員さんがアタシをかごから出してくれた。そのお姉さんはアタシを抱っこして、アタシに話しかけてきたの。「かわいい子。ねえ、うちにくる?」しょうがないなあ。そんなに言うなら行ってやるよ。お姉さんは、ペットショップで、ケージから食器、トイレ、マット、ブラシにかじり木まで用意してくれた。もちろん、ごはんも。アタシ、チモシーやペレットより、アルファルファの方が好きなんだ。店員さん、ちゃんと伝えてくれた?アルファルファのない生活なんて、耐えられないんだからね。お姉さんは1時間以上もペットショップで店員さんと話してた。そのあとは、車のトランクに荷物を積み込んで、ケージのアタシは助手席へ。「よろしくね、ヒメ。う〜ん・・・ヒメ・・?・・じゃなくて・・・キク!あなたはこれから、キクよ。わかった?」ええええええ。アタシ、ペットショップで呼ばれてた『ヒメ』の方がいいな。だってぇ、キク、なんて・・アタシ、うさぎだよ。お花じゃないんだから。「私はルイ。これから一緒だよ。さ、おうちに帰ろ」もう〜、しょうがないなあ。これが、アタシとルイさんの出会いだった。【シーン2:名鉄吉浜駅】◾️SE:吉浜駅到着アナウンスルイさんは吉浜から名鉄三河線で安城(※頭高)まで通っている。会社は、自動車部品メーカーの工場らしい。工場、ってなんだ?ま、いいや。とにかくその工場で、品質管理エンジニア、という仕事をしてるんだと。「私の仕事はねー、ヒメ。自動車部品の品質を保証するための検査とか、データ分析とかしてるんだよ。わかるー?」わかるわけないだろ。さっぱりちんぷんかんぷん。だけど、まあ、とっても難しい仕事をしてるんだってことはわかる。お休みは土曜・日曜だけ。でもときどき、何日も仕事を休んで、アタシと遊んでくれるから感謝してるわ。遊ぶときはたいてい、アタシを抱っこして、お散歩。人形小路(にんぎょうこみち)、って言うの?吉浜駅から続く散歩道を歩いていくんだ。うわ!びっくりした!真っ白なゾウがいる!と思ったら人形なんだもの。細工人形...
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    26 mins
  • ボイスドラマ「蛇抜〜もうひとつの真実〜」
    Oct 31 2025
    愛知県高浜市に伝わる伝説「蛇抜(じゃぬけ)」をモチーフにしたボイスドラマ最新作。人気声優・姫乃蘭が、アニメ制作の裏側で出会う“もうひとつの真実”。神楽の舞、伝説の巫女、そして“脱皮”の意味——。彼女が最後に見つけたのは、声の向こうにある“命の物語”。【ペルソナ】・姫乃蘭(ひめの らん)/愛称ヒメ(24歳アイドル声優)=現場でぶりっ子、本音はツンデレ・星宮比売(ほしみや ひめ)/(14歳)=高浜市の小さな神社の巫女、舞姫。実は龍神の子孫・マネージャー(38歳)=姫乃蘭所属事務所のマネージャー。ヒメ以外に大物も担当している [シーン1:渋谷のアフレコスタジオ/Aスタにて『異世界高校 ミルキーハイスクール』収録中】 ◾️BGM:最高にエモーショナルな音楽 『私はここよ!なっ、なに!?・・見えないの!?私が・・・ああ!そうよ!手を・・私の手を・・・絶対にもう離さないで!!!一緒に、元の世界へ戻るのよ〜!』 ◾️SE:音響監督のモブ声「はい!オッケー!いいねえ!おつかれー」 「ありがとうございます!監督!皆さんもお疲れ様でしたぁ!スタッフの皆さんもありがとうございます! あ、監督〜!明日、アタシの写真集、発売日なんですよー!また監督の番組で告知させてください🙇(ぺこり) あの、ご迷惑でなければ・・・一冊、もらってください!コレ発売日までオフレコなんですけど〜スク水のカットもあるんでんすぅ!きゃっ。アタシ、恥ずいからイヤって言ったんですけどカメラマンさんがどうしてもって・・・あ、興味なかったら、捨てちゃってくださいねー!」 今日のアフレコは、来年4月から放送される春アニメの最終回。まだプレスリリースが出たばかりだけどあの有名なアニメスタジオが制作!ってことで話題になってる。 ストーリーは学園を舞台にした異世界もの。監督なんて京都のアニメスタジオからわざわざオファーしてるし。そうそう。キャラデザも最近人気の女性絵師さんだから、そりゃもう〜キラキラしてかわゆいの!メインキャラだけでなく、サブキャラや悪役キャラも魅力たっぷりよ。 キャストもそうそうたるメンバーね!メインのひとりは、あの超人気作品でエルフを演じたハナザキ アサミさんでしょ。スパダリのイケメン役は男子声優人気No.1のメカジキ ユウくん。優しい担任教師役にベテランのマツダ カズトモさん。 そして主人公は!前作『禍ツ魂』で超バズっちゃったアタシ!姫乃蘭(ひめの らん)、通称ヒメ!アタシの役は引きこもりのJK。でも異世界では無敵の魔法使いになっていくの! 『禍ツ魂』は地上波の12話1クールだけで終わんなかったんだよねー。続編の劇場版『禍ツ魂〜鬼師一族の廻天!』が歴代アニメの興行記録を塗り替えちゃったもんね! でも!今回の「異世界高校 ミルキーハイスクール」はその上をいく。製作委員会的にもめっちゃ力入ってる新作。とはいえ、春アニメは超話題作目白押しで人気のアニメスタジオはパンク状態。なんとか探したのがサンセットスタジオのサブチームらしい。正直アタシ・姫乃蘭を起用したのも、『禍ツ魂』で名前は売れたけどギャラがそこまで高くないから! い〜んじゃない。監督はあの『口のカタチ』のYさんだし、アタシにとってはステップアップするビッグチャンス!今日の最終回できっちり区切りをつけてと。 次の作品で、推しも推されもせぬ、No.1声優になってやる! 「1クールおつかれさまでした〜!」 [シーン2:マネージャーの運転する車の中】 ◾️SE:車の扉を閉める音/車内の走行音 「あ〜つかれたぁ!あのスタジオ、マジで空調悪すぎ。メイク取れるじゃん。それにサブキャラの女の子、間の取り方下手すぎ。合わせにくいんだって。新人?5年目?あれで?モブからやり直した方がいいんじゃね?ん?それなに?次の作品?見せて、プロット」 帰りの車の中。運転するマネージャーが持っていた次のアニメのプロット。ざっと目を通したアタシの口から出た言葉は、 「ちょっと!なに!この話!?」 「なにが言いたいのか、ぜ〜んぜんわかんない!」 「オファーは前作『禍ツ魂...
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    26 mins
  • ボイスドラマ「特別養護老人ホーム鷹濱荘」
    Oct 16 2025
    ここは、一見普通の特別養護老人ホーム。しかし、その正体は、法で裁けぬ巨悪を闇で裁く秘密組織「陽炎」の最後の砦だった。介護福祉士のルイと、個性豊かな入居者たちが、AI監視企業「シンギュラリティ」の脅威にどう立ち向かうのか?三州瓦、花火、水圧銃…お年寄りたちが、それぞれの特技を活かした驚きの武器で敵を迎え撃ちます。【ペルソナ】主人公・ヤマサキさん(年齢不詳):寝たきりのおばあちゃん。実は手下に命令を下して悪いやつらを闇に葬り去る「陽炎」のビッグボス介護福祉士・ルイ(24):秘密組織「陽炎」で訓練を受けた世界最高級の秘密工作員。訪問介護や病院への送り迎え、外出催事などの際にミッションをこなしている[シーン1:特別養護老人ホーム 鷹濱荘】◾️SE/効果音:緊急コール(No.1530968 緊急コール)〜廊下を走る音※CV/息を切らして走ってくるルイはぁっ!はぁっ!はぁっ!緊急コールを鳴らすなんて、また誰かが転倒でもしたのかしら?骨折とか大事(おおごと)でなきゃいいけど。※CV/モノローグっぽくここは、愛知県高浜市にある特別養護老人ホーム鷹濱荘(たかはまそう)。海沿いに建つ瀟洒な施設。一見、どこにでもある普通の特養だが・・・◾️BGM/スパイアクション風に転換ここにいるのは、ただ静かに余生を送る老人たちではない。法で裁けぬ巨悪を闇で裁く非公認の秘密諜報組織「陽炎(かげろう)」。彼らはその「陽炎」最後の生き残りたちである。私は介護福祉士のルイ。しかしてその実態は・・・「陽炎」で訓練を受けた腕利(うできき)の秘密諜報部員。パステルカラーのユニフォームの下にはワルサーPPK。コルセットをガンベルトにしていつでも臨戦体制の工作員なのだ。いやいやいや、私などまだまだ青二才。ホームの入所者は全員、超一流のエージェント。その素顔は誰も想像できまい。主だったメンバーを紹介しよう。※年齢はそのまま続けて読んでまずは、元鬼師のタクミさん(85歳)。三州瓦で鬼瓦を作る伝統工芸職人。特殊な材料でいろんな瓦の仕掛けやギミックを作り、敵を制圧する。毎回私に新しい発明品を見せたくてウズウズしてるのよね。面白いけどほっとこ。戦時中「従軍看護婦」だったマミさん(78歳)毒物調合の達人。手に持っている砂糖入れには常に微量の毒が混ざっている。今日もメタボ気味な理学療法士のおじさんに、デザート作って渡してた。メタボ解消よ〜、って笑ってたけど・・・おじさん大丈夫かしら?コウシさん(82歳)は”回天”計画の元特攻隊員。出撃直前「陽炎」にスカウトされたらしい。水を使った戦法が得意。介護浴槽の中でも10分以上息を止められるって。職員が海にボールペン落としたときは、潜ってサっと拾ってくれた。ありがたいわぁ。伝説のスナイパー「人形菊(にんぎょうぎく)」ことコハルさん(75歳)。いまはちょっと耳が遠くなったけど、視力とスナイパーの腕は健在。上空150メートルぎりぎりに飛んでるドローンも一発で撃ち落とす。昨日もドローンが近づいてきたから撃墜したって言ってたけど・・なんかこわ〜。元花火師で爆弾作り名人の、トシカズさん(88歳)。破壊対象のごく一部だけを正確に、かつピンポイントで爆破する。しかも超人的な聴力はデビルイヤー。他人の心音まで聴き分ける。こないだも「ルイちゃん、心拍数あがってるよ。相談員の栗栖くんの前だから?」って。いらんことを〜。カズオさん(90歳)は、凄腕の金庫破り。少〜し認知入ってるけど、錠前開けの腕は健在。所長が金庫の鍵なくしたときなんて、つまようじ一本で開けちゃったし。すごすぎる〜。最後は、ヤマサキさん(年齢不詳)。戦後の混乱期から今まで、諜報機関「陽炎」の指揮官。3年前の脳梗塞が原因で寝たきり・・・というのはカムフラージュ。超人的なリハビリを半年続けて復活。密かに私に指令を出している。表情ひとつ変えずにぼそっと言うから、ちょっと怖い。◾️SE/効果音:緊急コール(No.1530968 緊急コール)〜廊下を走る音※CV/息を切らして走ってくるルイはぁっ!はぁっ!はぁっ!呼んでいるのは4階の北の端。...
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    29 mins
  • ボイスドラマ「マーメイドの夏〜三河地震に引き裂かれた愛」
    Aug 31 2025
    1944年、戦時下の愛知県・高浜市。世界の美しい海に憧れながら、衣浦の小さな海で修行をする人魚姫ルイーズ。彼女が出会ったのは、徴兵検査で落ち、居場所を失った青年サトシ。二人は密かに愛を育むが、やがて三河地震、そして終戦の波が押し寄せる――。歴史とファンタジーが交錯する切なくも美しいボイスドラマ【ペルソナ】主人公・ルイーズ(年齢不詳):北欧生まれの人魚。プリンセス候補の1人。修行のために衣浦の海に住んでいるが、この小さな海がどうしても好きになれない。サトシ(21):高浜の電気工。友達が次々と出征して戦地にいくなか、徴兵検査で丁種となり悶々としている。そんなとき幼馴染のマサルの戦死公報が届く。(CV:山﨑るい)【ストーリー】[シーン1:1944年夏/衣浦の海】※ルイーズのモノローグ◾️SE:潮騒の音/海鳥の声/遠くに聞こえる汽笛赤、青、黄色。色とりどりの魚たちが珊瑚礁の間を泳いでいく。光のカーテンがゆらゆら揺れて、まるで宝石みたいに美しい海。パラオ。透き通るようなエメラルドグリーンの水面。白い砂浜に打ち寄せる波。マンタと一緒に、空を飛ぶように泳ぐ海。モルディブ。エメラルドグリーンからコバルトブルーへ。息をのむような美しいグラデーション。天国に一番近い島。ニューカレドニア。ああ〜、なんて素敵なの〜美しい海は世界中にこんなにいっぱいあるのに・・・◾️SE:暑苦しいセミの声なんで私は衣浦?なんで高浜?海か川か、わかんないような海。いつまでここにいればいいの〜!?私の名前はルイーズ。おわかりだと思うけど、マーメイド。場所によっては、セイレーンとか、ローレライって呼ぶ人もいるわね。日本では、そ、人魚。ジュゴン?マナティ?ちょっと勘弁して。あの海棲哺乳類のどこから麗しい人魚の姿が想像できるっていうの?それに人魚の世界って厳しいのよ。ポセイドンっていう神様の下で何年も修行してやっと自分の海を持たせてもらえるんだから。で、私の海は・・・衣浦?夏だというのにカラフルな熱帯魚もいないし、海亀だっていない。真っ白な砂浜だって・・・なんで?なんでよ〜?ポセイドンさま〜しかも・・・いまって何年?私たち人魚には時間という概念がないからよくわかんないけど・・・1944年?たしか世界中で戦争が起こってたんじゃない?そうそう。ポセイドンさまが言ってたわ。”戦争とは、神々の時代から幾度となく繰り返されてきた愚かな所業。人間たちの欲のために、陸(おか)は火の海となり、美しく青い海は血で赤く染まっている。かつては美しく、清らかであったこの海も、今や醜い憎悪と悲しみを吸い込み、深く澱んでしまった。人間たちよ、いつか、その報いを受けるであろう”だって。この高浜ってところには、まだ爆弾とかは落ちてないんだけど、人間の数がどんどん減っているんじゃない?男の人は戦地に送られ、女の人や学生さんは名古屋の工場に行ってる。畑とか田んぼとかどうするのかしら?陸(おか)の食べものがないからって、魚をもっといっぱい獲っちゃうの?魚って私たち人魚の眷属だから、守ってあげないと。チヌ、セイゴ、メバル、カサゴ、サッパ、ハゼ、イサキ、シイラ。みんな、隠れなさい。逃げなさい。人間なんかにつかまっちゃだめよ。私が魚たちを転進させている頃、陸(おか)の上ではいろんなことが起こってたみたい。知らんけど。[シーン2:1944年秋/出会い】◾️SE:友人の葬式(棺桶に入っているのは戦死の知らせの紙だけ)「このたびはご愁傷さまで・・・」「あ、サトシです。ほら、小さい頃マサルと一緒に遊んだ・・」「ああ、ボクには赤紙はまだ・・・」「そ、そうです。徴兵検査で丁種(ていしゅ)だったので・・・」「非国民?そんな・・そんな・・・ボクだって」「帰れ?お願いです!線香の1本くらいあげさせてください」「マサルの・・」◾️SE:バシャっと水をかけられる音「失礼、しました」海沿いの古民家でおこなわれていたお葬式。一人の若者が、水をかけられて、追い出された。ってか、家にもあげてもらえなかったのね。なんか、陰鬱な顔...
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    29 mins